株式会社Triaは、「“人”の力で、お客様のビジネスを推進する」を理念に掲げる伴走型マーケティング支援会社です。代表の石原、戦略実行を牽引する尾関と共に創業を支える取締役の渡辺は、データ分析とロジカルな思考を武器に、クライアントの課題解決と事業成長のため常に本質を問い続けています。本記事では、渡辺がTriaで実現したいこと、データマーケティングの神髄、そして共に未来を創る仲間への想いに迫ります。
渡辺 大輝 / 株式会社Tria 取締役
九州大学経済学部にて計量経済学を専攻。新卒で株式会社セプテーニに入社し、広告運用及びデータ事業本部にてデータ分析・活用業務に従事。その後、データ分析専門のコンサルティング会社であるインキューデータ株式会社を経て、2024年3月、石原・尾関と共に株式会社Triaを共同創業。
計量経済学からデータドリブンマーケティングへ。論理的思考と「仕組みの理解」が拓いた道
ーーまず、渡辺さんの経歴についてお聞かせください。
九州大学経済学部で計量経済学を学びました。統計などを用いる専門的な分野で、例えばプロ野球選手の年俸がどのような要因で決まるのかを分析したり、大学のキャンパス移転が地域経済に与える経済効果を予測したりと、数学的なアプローチで様々な事象を研究していました。
ーー大学での学びは、今の業務にも繋がっているのでしょうか?
計量経済学の研究を通じて培われた、複雑なデータの中から課題を構造的に捉え、仮説を立て、論理的に検証していくという思考プロセスこそが、現在のデータドリブンなマーケティング業務を行う上での揺るぎない土台になっていると確信しています。
ーーファーストキャリアとして株式会社セプテーニに入社された経緯と、そこでの具体的な業務内容について教えてください。
当時は特に明確な志望があったわけではありませんが、大学3年の2月という早い段階でご縁をいただいたセプテーニで、Web広告業界でのキャリアをスタートしました。
そこではまず、ダイレクト広告の運用部隊に配属され、主にMeta社やX社のプラットフォームでアプリクライアントの広告運用を担当しました。国内最大級の某漫画配信サービスのような著名な案件では、月数千万から億単位の予算を扱う貴重な経験もさせていただきました。担当案件における粗利の大きさが評価され、最優秀コンサル賞にも3回ノミネートされています。
ーーその後、データ事業本部に移られていますね。
はい。先輩から「広告運用は将来自動化される部分も多い。今後のキャリアを考えると専門性が必要になる」という助言をきっかけに自身のキャリアを考え直し、データ活用の専門性を深めるために移籍しました。
そこでは、再び同上の漫画配信サービス案件に携わり、ユーザーIDの機械学習を用いた広告配信最適化でDAU(デイリーアクティブユーザー)1.5倍増という成果に貢献することができました。その他にも、キュレーションサイトのデータ活用支援や、プライバシー保護強化に対応するための最新技術の導入支援といった、データ活用の最前線に触れる機会を得ました。
ーーセプテーニでの4年間で得た、今に繋がる学びはありますか?
広告運用とデータ活用の基礎知識はもちろんですが、特に二つの点で大きな学びがありました。
一つは、「運用ができる」だけでなく「その背景にある“仕組み”を理解する」ことの重要性です。例えば、単に広告のCTR(クリック率)が悪くなったからクリエイティブを入れ替える、といった対応をするのではなく、「なぜその数値になったのか」という根本的な要因を突き詰めること。あるいは、「広告の効果計測が実際どのように行われ、お客様の最終的な事業データにどう影響しているのか」といった、目に見えない裏側の構造まで把握すること。こうした“仕組み”の理解がないと、どうしても表面的な施策に終始してしまいがちです。それでは、お客様が本当に目指している本質的な課題解決にはなかなか繋がりません。
もう一つは、お客様との「言葉の定義」をすり合わせる重要性です。業界で一般的な指標、例えば広告のCTRやCPA(顧客獲得単価)なども、お客様の社内では独自の目標設定や解釈で使われていることがあります。以前、私たちが良かれと思って分析し、成果が良いと判断したユーザー層が、実はお客様にとっては注力すべきでないセグメントであったり、あるいは指標の定義自体が我々の認識と異なっていたために、施策の評価が大きく食い違ってしまった経験がありました。
このような認識のズレは、施策の方向性を誤らせ、無駄な労力に繋がりかねません。そのため、まず「どの数字を、どのような定義で見ていて、何が本当のゴールなのか」をお客様と徹底的に確認し、言葉の解像度を上げてから仕事に取り掛かることを重視するようになりました。そうすることで、お客様との認識の齟齬を未然に防ぎ、より本質的な課題解決に向けた建設的な議論ができるようになり、結果として施策の精度向上や信頼関係の深化に繋がったと感じています。
デジタルの限界とリアルの価値。データ活用のプロがTriaで挑む「本質的な課題解決」
ーーその後、インキューデータ株式会社に転職された経緯を教えてください。
コロナ禍でデジタルシフトが加速する中、「デジタルマーケティングだけで本当に本質的な課題解決ができるのだろうか?」という疑問が徐々に大きくなりました。デジタルのデータは、例えばウェブサイトのアクセスログや広告のクリック数・コンバージョン率といった形で、ある程度自動的に収集され、構造化されているため扱いやすいという側面があります。しかしその反面、分析できる指標や得られるインサイトもある程度予測可能な範囲に収まりがちで、そこから新たな打ち手やより深い顧客理解に繋げるには限界があると感じ始めたのです。
そこで、まだ整っていない「リアルデータ」も扱えるようになりたい、その分析手法を学びたいという思いが強くなりました。また、前職でTreasure Dataといったデータプラットフォームを使っていた経験もあり、その知見を活かしながら新しい領域で挑戦できると考え、同社への転職を決意しました。
リアルデータは、例えばお客様の購買履歴(POSデータ)や発送データ、アンケート結果、テレビの視聴データなど多岐にわたり、時には分析の目的に合わせて、どのような情報を、どのように収集し、どのように使える形にするかという、データ生成の初期段階から戦略的に関与していく必要もあって、そこに大きな価値を感じましたね。
ーーどのようなご経験をされましたか?
データコンサルタントとして、データ分析から顧客折衝まで幅広く担当しました。例えば、食品加工会社の案件では、お客様の持つ初回購入商品や購入経路といった販売データを分析し、顧客をいくつかのグループに分類。それぞれのグループの特性に合わせたCRM施策を立案し、LTV分析なども行うことで、最終的に売上を120%成長させることに貢献できました。
そこで、高度な分析手法より、基本的な集計やデータの見せ方、そこから何が言えるかを正しく理解しお客様に気づきを与えることの重要性を再認識しました。AI活用もデータ整理が大前提ですが、実際には基本的な「クロス集計」(複数のデータを掛け合わせて傾向を分析する基本的な手法)すら十分に活用できていない企業様も少なくありません。
Triaだからできる「何でもやる」支援。データは最強の武器、仲間と共に成果を出す
ーーそしてTriaを創業されます。経緯をお聞かせください。
石原とは以前、副業で広告運用を一緒にやっていました。その中で彼から「独立して本格的にやらないか」と誘われ、「今のメンバーならやっていける」という彼の言葉と熱意を受け、共にTriaを立ち上げる決断をしました。
ーーどのような業務をされていますか?
データマーケティング領域の営業フロントからディレクション、そしてお客様の課題解決に必要なデータ基盤の設計や分析、その結果を可視化するダッシュボード構築といった制作業務まで一貫して担当しています。ただ、データ分析はあくまで「顧客の課題解決のための手段の一つ」であり、Triaでは広告、SEO、クリエイティブ、データと、手段を選ばずに最適な組み合わせを提案できるのが強みです。
それ以外にも広告運用そのものに関わることもありますし、他メンバーの案件のレポーティング整備など、創業期の今は特に、顧客のために必要であれば「何でもやる」スタンスです。
ーーTriaならではの仕事の面白みや、やりがいは?
「自分で仕事を選べる」自由度の高さは大きいです。手を挙げれば任せてもらえる環境ですし、新しく入る方も得意分野や挑戦したい領域があれば積極的に声を挙げてほしい。フラットな組織なので声は届きやすいはずです。
そして何より、自分の仕事が会社の成果にダイレクトにインパクトを与えていると実感できること。これは少数精鋭のスタートアップならではの醍醐味でしょう。会社の売上として貢献が明確に見えるのは大きなモチベーションになります。最近では様々な企業様からお声がけいただく機会も増え、会社が成長していく手応えを日々感じられるのも面白いですね。
ーーTriaの根幹には「“人”の力で、お客様のビジネスを推進する」という理念がありますが、渡辺さんはこれをどう体現していきたいですか?
物理的な「モノ」を売るわけではない私たちにとって、メンバー一人ひとりの専門性、熱意、お客様と誠実に向き合う姿勢、そういった「人」の力が本質的な価値提供の源泉になります。Triaを選んでいただけるのは、私たちの「人」としての力を信頼していただいているからこそ。その信頼に高いレベルの成果でお応えするのが使命だと考えています。
ーー共に働く石原さん、尾関さんの「ここがすごい」と感じる点は?
二人とも、とにかく「反射神経」がすごいですね。課題や相談があった時の判断の速さ、アクションへのスピード感は、私自身も見習わなければと感じています。これは彼らの豊富な経験値からくるものだと思います。
「最強のチーム」で築く、信頼と着実な成長の未来
ーーTriaの今後の展望について、会社としてどのような姿を目指していますか?
代表の石原も言っていますが、メンバー一人ひとりが専門性を持ちつつ、多様化するデジタルのニーズに幅広く、深く応えられるプロフェッショナル集団、つまり「最強のチーム」を目指していきたいです。
中長期的には、急拡大よりも、目の前のお客様と誠実に向き合い、本質的な価値を提供し続けることで信頼を積み重ね、着実に成長していく。それが理想ですね。
ーー渡辺さんご自身の今後の目標は?
個人的には、AIに代替されても残る価値、人間にしかできない部分を追求していきたいです。AIの進化は歓迎すべきことで、人間はより本質的な課題設定や戦略立案、お客様との深いコミュニケーションに注力すべきだと考えています。常に変化に対応し、本質的な価値提供ができるスキルを磨き続けたいです。
ーー最後に、Triaに興味を持っている候補者の方々へ、メッセージをお願いします。
人生は長いですから、どこかで一度、思い切ってチャレンジしてみるのも良いのではないでしょうか。私自身も、Triaの創業は20代最後での大きな挑戦でした。「どこまで行けるか、自分の力を試してみたい」そんな気持ちで今ここにいます。Triaはまだ発展途上のチームです。だからこそ、大きな裁量と責任を持って、会社を一緒に創り上げていく面白さを存分に体験できるはずです。もしあなたが「自分の力を試したい」「新しい環境でチャレンジしたい」という想いを持っているなら、Triaは最高の腕試しの場になるかもしれません。