こんにちは。PIECE OF SIGN 代表の音田です。
私たちは「うつくしいお店を、助け残す」というミッションを掲げて、日々の仕事に取り組んでいます。
これは、ただ印象的なフレーズを選んだという話ではありません。
実際に店舗を立ち上げ、運営する中で感じた課題や葛藤が根っこにあります。
この記事では、なぜ私たちが“ローカル店舗支援”に軸足を置いているのか。
そして、それを「総合的」にやる必要があると考えているのか。
その理由をお伝えできればと思います。
一つの漢方薬店から始まった気づき
私たちの最初のプロダクトは、「伝わらなかった経験」から生まれました。
2021年に代々木八幡で開業した漢方薬店LAOSI。
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見た目には“漢方の店”とわからなかったのか、「カフェですか?」と聞かれることが続きました。
私たちが伝えたかったのは、
・ここが漢方薬店であること
・ただし、老舗のような敷居の高さはなく、むしろ初心者の方にこそ来てほしい場所であること
・提供しているサービスや価格帯の雰囲気
といった、ごく基本的なことでした。けれど、それらは外から見ても全く伝わっていなかったのです。
同時に、お店の運営というものは想像以上にやるべきことが多いと痛感しました。
集客、CRM、販促、SNS、予約管理…やらなければいけないことはどんどん増えていきます。
そして、外部の業者が提案してくるサービスやツールも沢山やってきます。
しかし、信用や実用に値しない提案も数多く、ローカル店舗はこんなにも多くの気苦労を抱えながら運営をしているのか、と驚いたこともおぼえています。
「お店の味方であること」から考え直す
私たちはその経験から、店舗と同じ方向を見ていなければ、どんなに便利なツールも意味をなさないと感じました。
だからこそ、ただ看板をつくるだけではなく、集客やリピーターとの関係構築といった、より深い部分まで支援できるかたちをつくりたいと強く思いました。
その思いから、「店舗のライフサイクル全体に寄り添う存在になる」という方針を明確にしました。
現在は、ITやAIの技術も取り入れながら、運営を助けるITサービスの準備も進めています。
ローカルな店舗が、テクノロジーを活かしながら自分たちらしさを保ち、成長していけるように。
それが、私たちが目指す支援のかたちです。
身近な人の営みと、このまちでの暮らし
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ローカル店舗を支えたいと考える背景には、個人的なつながりもあります。
カフェを営む友人、イタリアンを立ち上げた後輩、音楽教室を主宰する知人、サロンを一人で切り盛りしている方…。
顔が思い浮かぶ人たちの奮闘や、日々の工夫を、身近で見てきました。
また、私たちが拠点を置いている代々木八幡(通称・奥渋)は、小さくてユニークなお店が点在する、ちょっと特別なエリアです。
センスのいいお店、美味しい店、気持ちのいい接客。
そうした個性的なお店がまちの表情をつくり、暮らしの彩りになっていると感じます。
便利なチェーン店にも助けられていますが、本当に豊かな時間をつくってくれるのは、ローカルなお店の方かもしれません。
AI時代における「人」と「空間」の意味
私たちはAIの進化を否定しません。むしろ、最大限に活用したいと考えています。
けれど、AIがどれだけ進化しても、人とのコミュニケーションや空間の持つ“質感”は、決して完全に代替できないと感じています。
たとえば、スナックのママとのやりとり、セレクトショップの店員さんのセンス、美容師さんとのさりげない会話。
そうした人との関係性には、「情報では説明できない価値」が含まれています。
暮らしのなかで育まれる地域とのつながりや、行きつけのお店との関係。
それらがもたらしてくれる「充実感」は、デジタルでは代用できないものです。
だからこそ、テクノロジーの力を使いながらも、「人が人らしくいられる場所・場面」を守っていきたいと考えています。
「日常生活のコンフォートゾーン」をつくる支援へ
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これから私たちは、人生の充実度や暮らしの質について、もっと深く考えるようになっていくと思います。
その中で、「自分がどんな場所で暮らしているか」「どんなお店に囲まれているか」といったことは、案外大きな意味を持ってくるのではないでしょうか。
PIECE OF SIGNは、そうした生活圏の質を高めるための事業を通じて、ローカル店舗がきちんと“選ばれ、生き残っていく”未来を支えたいと考えています。
テクノロジーによって淘汰されるのではなく、テクノロジーによって繁栄するローカル店舗のあり方を、私たちは模索しています。
最後に:店舗を支える仲間を募集しています
PIECE OF SIGNは、ただプロダクトをつくっている会社ではありません。
誰かの暮らしの背景にある「大切な場所」を守るための仕組みを、技術とデザインと情熱で形にしているチームです。
現在、店舗支援の仕事に共に取り組んでくださる仲間を募集しています。
もしこの記事に、少しでも共感する部分があったなら。一度、ゆっくりお話しできたらうれしいです。
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