「今日はif文の続き…条件分岐、間違えると地獄なんだよなぁ…」

夜。
仕事を終えたあと、ノートPCを開くのが少しずつ習慣になってきた。
画面に映るのは、Pythonの学習単元。
if、elif、else――「条件によって分かれる道」。
まるで人生みたいだ、なんて、ちょっと考えてしまう。

タイピングして、実行。
エラー。
修正して、また実行。
…エラー。

何度も、何度も、繰り返して、
ようやく――エラーが出ない。

▶ Hello, Python World!

「…え？動いた…？」

しばらく画面を見つめたあと、
じわっと、心の中に湧いてくるものがあった。
「できた…！」

Meetに入り、講師とのレビュータイム。
「このコード、めちゃくちゃ綺麗に書けてますね」
「お、分岐もしっかり整理されてる！かなり良い感じです」

モニター越しの笑顔に、ガチガチに緊張していた肩の力が抜けていく。

「じゃ、次の単元は関数ですね。いよいよ、自分で“機能”をつくる段階です」
「はい、楽しみです！」

“楽しみ”。
ほんの少し前まで、コードを見るだけで震えてた自分が、そんなこと言えるなんて。

🔜次回予告【第7話】「“選ばれる”人になるために」

事務案件に配属されてから数か月。
ちょっとずつ“できる”ことが増えて、次の案件提案の声がかかり始める。
「どんな案件でもこなせるように、なりたい」――
目指すのは、“選ばれる人間”になること。
そう、あの人がいつも言ってた言葉のように。